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CCUS就業履歴の蓄積方法が注目!
「福地建設」様の導入事例が「日刊建設工業新聞」掲載!

 建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者数が1月末現在、81万人に達した。(全国の建設技能者のおよそ4人に1人が登録を終えたことになる。)そんな中、かんたんに就業履歴が蓄積できる方法「キャリアリンク」が注目されている。今回は、福地建設様の取組みと共に弊社「キャリアリンク(careerlink)」の事例が「日刊建設工業新聞」に紹介頂きました。
【以下、2022/03/10日刊建設工業新聞 掲載記事より】

福地建設「電話一本で入退場管理」

 建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入が地域の建設業に広がる中、建設技能者への負担が少ない就業履歴の蓄積方法が注目されている。公共土木工事を主に手掛ける福地建設(鹿児島県霧島市、福地茂穂社長)は、建設業振興基金(振興基金、佐々木基理事長)が運営するCCUSと連携した民間システムを取り入れ、電話一本で効率的に入退場管理を行えるようにしている。

CCUS連携の「キャリアリンク」活用

 同社が採用したのはコムテックス(富山県高岡市、後藤敏郎社長)が2021年10月に本格的な販売を開始した「キャリアリンク」と呼ぶシステム。
 建設技能者が現場の入退場時に携帯電話から所定の番号に発信するだけで記録が残り、その情報を基に個々のキャリアアップに必須となる就業履歴を蓄積する。スマートフォンを使った顔認証でも入退場を管理できるこのシステムは、建設技能者一人一人に配布されるICカード(建設キャリアアップカード)をかざして入退場を管理するカードリーダーを置くのが難しい一戸建て住宅の現場などをイメージして開発された。
 国土交通省では、コムテックスが開発したこのシステムを使った「拡張サービス実証実験」と呼ばれる事業に参加する企業を20年度に公募。同社を含む地域の総合建設会社を主体に数十社が参加し、システムの効果や課題を把握するために現場で試行的に導入してみる実験が21年1月から9月にかけて行われた。
 実証実験と並行する形で同社は、同3月に国交省直轄のCCUSモデル工事を受注。リース契約したカードリーダーを現場に置いて就業履歴を蓄積する活動も進めていった。

負担少なく就業履歴蓄積

 国、鹿児島県、市町村などから同社が受注する工事には、維持管理工事、現場が広範囲な工事、現場と現場事務所が離れた工事なども多い。そうした工事現場でもキャリアアップの基礎情報となる入退場管理を効率的に行い、カードリーダーを置く場所に出向かずに済むコムテックスのシステムは「協力会社を含めて技能者にも好評を博している」。同社でCCUS導入を担当する工務課所属の山崎優さんはそう話す。この間のコムテックス担当者による手厚いサポートも本格導入を後押ししたようだ。
 現在、国交省直轄の6現場でCCUSを導入する同社。鹿児島県でもCCUSの導入が「創意工夫」につながる活動として入札時に加点する措置を取り入れていることもあり、今後導入案件が増えていくとみる特記仕様書で「カードリーダーの設置」が明記されるケースもあるが、移動時間の削減にもつながるキャリアリンクを主体にCCUSを運用していく方針だ。施工体制の登録にも手間が掛からないなど管理側の使いやすさも大きなメリットだとする。

携帯電話を発信して入退場を登録する(福地建設提供)/キャリアリンクによる入退場の仕組み 携帯電話を発信して入退場を登録する(福地建設提供)/キャリアリンクによる入退場の仕組み

 公共工事を主体に活動する同社での採用は、コムテックスにとってもキャリアリンクの活用先を広げる上での好事例になるとして、ホームページでもその取り組みを紹介している。振興基金もカードリーダーを用いない就業履歴の蓄積がCCUSの普及拡大への弾みになると期待を寄せる。

 CCUSの導入に当たって社内の手続きなどに尽力したのは、建設ディレクター協会(新井恭子理事長)が主催する講習を受講した山崎さんら3人の女性社員。それぞれ割り振られた現場事務所に籍を置きながら、新規技能者の登録や日々の入退場の状況をチェックして就業履歴蓄積に連携させる操作など、CCUSに関する取り組みを一手に引き受けている。
 社員の育児支援にも力を入れる同社は、女性がモチベーション高く働ける環境づくりに注力する。建設ディレクターの育成もその一環で、今後も対象となる女性社員に講習を受講してもらう計画だ。安全書類の作成、現場の調査やパトロール、写真管理など多岐にわたる役割を担う彼女らがいることで、現場代理人や監理技術者ら技術職員が施工管理に集中できる。
 さらに「技術者の日々の健康状態を心配するなど、(女性特有の)きめ細かな気遣いが社内の雰囲気を明るくしてくれている」と建設ディレクーの存在に同社は、大きな価値を感じている。
 CCUSと建設ディレクターを軸に社員がやりがいを持って働く環境の構築に注力する同社。経験の備わった段階で、社員の資格取得も積極的に支援することで、若い人材がチャレンジ精神を持って働けるようにしたいという。
 建設ディレクターにもキャリアを積み上げてもらい、いずれは女性だけで現場を運営するようなことにも取り組んでいきたいとする。

2022/03/03日刊建設工業新聞 2022/03/03日刊建設工業新聞